チェンソーに給油する混合燃料の種類
エンジンチェンソーは、ガソリンとエンジンオイルの混合燃料で駆動します。高品質オイルを使用することで、機械の寿命を大幅に延ばすことができます。
14.04.2024
概要:チェンソー用混合燃料
- ガソリンとオイルの混合燃料の品質に常に注意してください。
混合比は必ず正確に遵守してください。
STIHL 製品ではE10ガソリンが使用可能です。
機器内での滞留期間は混合燃料によって異なります。滞留期間が30日を過ぎると、自分で混ぜた混合燃料は正常に機能しなくなる可能性があります。
STIHLチェンソーに適した混合燃料は、ガソリン50にエンジンオイル1を加えた混合燃料です。このエンジンオイルは、STIHL 2サイクルエンジン用オイルが最適です。5リットルのガソリンに100ミリリットルのエンジンオイルを加えれば、適切な混合燃料が用意できます。
STIHLチェンソーに適したオイルの種類は、等級で見分けることができます。TC等級の高品質2サイクルエンジン用オイルを使用してください。当社では、STIHLエンジン専用に調合され、エンジンの長寿命を約束するSTIHL 2サイクルエンジン用オイルを推奨しています。
STIHLチェンソーに適したガソリンは、オクタン価が90 RON以上のブランドガソリンです。基本的に、どのSTIHLチェンソーにもエタノール含有量が10%までのガソリンが適しています。
50:1の比率で混ぜる方法は簡単です。ガソリン50に対してエンジンオイルを1の割合で加えてください。使用が許可されている携行缶の中で直接混ぜてから混合燃料をよく振って、エンジンオイルとガソリンが均等に混ざるようにしてください。
チェンソーに正しい混合燃料を給油する
エンジンチェンソーでは、適切な混合燃料を使用することが重要です。不適切な燃料を使用したり、規定外の混合比で混ぜたりすると、激しい摩耗やピストンの焼き付きやなどの重大な損傷がエンジンで発生する可能性があります。2-MIXエンジンおよびインジェクションを搭載したチェンソーでは、以下の混合比を推奨しています:
チェンソーの混合燃料を自分で混ぜる場合
50:1 = ガソリン50 + オイル1
チェンソー用の良好な混合比は50:1です。これは5リットルのガソリンと、0.10リットル(100ミリリットル)のエンジンオイル(STIHL 2サイクルエンジン用オイルが最適)から構成されています。
ガソリン
混合燃料には、オクタン価が90 RON以上のブランドガソリンのみを使用してください。
エンジンオイル
TC等級に相当する高品質2サイクルエンジン用オイルのみを使用してください。当社では、STIHLエンジン専用に調合され、エンジンの長寿命を約束するSTIHL 2サイクルエンジン用オイルを推奨しています。低品質のエンジンオイルを使用すると、エンジン、シールリング、ラインおよび燃料タンクが損傷するおそれがあります。
混合燃料を混ぜる
混合する際は、燃料用に許可されている携行缶にまずエンジンオイルを、その次にガソリンを注入してください。混合燃料をタンクに充填する前に、携行缶を振って混合成分を混ぜ合わせることをお勧めします。その後、携行缶を慎重に開けてください。圧力が生成されている可能性があります。
STIHLパワーツールでのE10の使用
基本的に、エタノール含有量が5%または10%の燃料は、すべてのSTIHLチェンソーおよびパワーツールに適しています。
キャブレターの再調整
場合によってはキャブレターを再調整して、燃料の組成の変化を補整する必要があります。この場合は、STIHL販売店にご来店いただきますようお願いいたします。
E10とは?
記号「E10」は略語で、 「E」は、ガソリンに混合されるアルコール(バイオエタノール)のことを指しています。数字「10」は、許容エタノール含有量が最大10パーセントであることを意味しています。そのためE10では、バイオエタノール含有量がレギュラーガソリンよりも高くなっています。通常のレギュラーガソリンでは5パーセント以下です。
チェックリスト:混合燃料を自分で混ぜる
- STIHL 2サイクルエンジン用オイルまたはTC等級のブランド2サイクルエンジン用オイルを使用してください。
- ガソリンとオイルを50:1の割合で混合してください。
- 両方の成分を燃料用に許可された携行缶に注入し、缶を振って混ぜ合わせてください。
- 携行缶を慎重に開けて、混合燃料をチェンソーのタンクに充填してください。
- 正しい給油方法に関するヒントについては、下記のチェックリストを参照してください。
チェックリスト:正しい給油方法
- 注意:ガソリンは引火性が非常に高い液体です。従って、直火から十分な間隔を取って、燃料をこぼさないようにし、禁煙を遵守してください。チェンソーを始動する作業場から3メートル以上離れたところで給油してください。
- 給油の前には必ずエンジンを完全に停止させ、エンジンが熱いうちは給油しないでください。こぼれると火災の危険があります。
- タンクキャップを慎重に開けて、過圧が発生している場合にはそれがゆっくりと低下し、タンクから燃料が飛散しないようにしてください。
- 換気の良い場所でしか給油しないでください。
- 給油中は、燃料がこぼれたり、衣服に付着したりしないように注意してください。そうなってしまった場合は、直ちにパワーツールを清掃し、衣服を交換してください。
チェンソー用混合燃料の滞留期間が長くなる場合の注意事項
メインシーズン中であれば、燃料は数週間で使い切ってしまいますが、例えば冬期などでツールを使用しないときは、ガソリンとオイルの混合燃料が携行缶、タンク、キャブレターに滞留する期間が大幅に長くなります。この期間中、燃料容器やシステムには酸素や空気中の水分が入り込みます。これにより、ガソリンスタンドで購入した燃料では、既存の混合燃料が変化する可能性があります。燃料メーカーが混ぜた添加剤、例えば燃料特性の向上につながる酸化防止剤や防腐剤などがダメージを受け、混合燃料から失われてしまう可能性があります。
堆積物が溜まる危険
また、樹脂のような物体、通称「ガム」が発生する場合もあります。ガムとは、燃料が蒸発した後に現れる残留物のことを指します。燃料にガムが含まれていると、エンジンの燃焼室に堆積物が溜まるか、燃料ノズルやフィルターの固着や詰まりに至ります。
チェンソーの2サイクルエンジン用混合燃料は30日以上保管しないこと
また、2サイクルエンジン用混合燃料をエタノール含有燃料と混ぜた場合は、既に比較的短期間後にオイルとガソリンが分離することがあります。STIHLでは、自作の2サイクルエンジン用混合燃料の保管期間は30日までにして、燃料の分離度合いを最小限に抑えることをお勧めしています。
この場合の分離とは、 空気中の水分がエタノールと混合し、携行缶の底に沈殿することを意味します。
分離した場合の注意事項
分離すると、2サイクルエンジン用オイルが燃料内で均等に混ざり合った状態ではなくなります。そうなると、エンジンに必要な潤滑剤が不足する可能性があります。潤滑や冷却が不足すると、エンジンの回転に問題が生じ、最悪の場合にはピストンの焼き付きに至ることがあります。分離した燃料は、激しく振っても正常な状態には戻りません。
タンクに不適切な燃料を給油した場合
不適切な混合燃料を給油した場合は、たとえ短時間でもチェンソーを運転しないでください。漏斗を使用して古い燃料を携行缶に戻し、タンクに正しい燃料を注入してください。通常はこれで十分です。チェンソーが動かない場合は、場合によってはスパークプラグを清掃する必要があります。
STIHLチェンソーの取扱説明書
こちらから、STIHLチェンソーの取扱説明書を快適にダウンロードできます。